2022年8月6日・7日の中小企業診断士一次試験を受験した夫婦です。
今回で2022年一次試験の振り返り記事は最後です。題して、「もしも診ゼミ始めたあの日に戻れるなら…」です。つまり、試験を受けて結果もすべてわかった今、我々が勉強を開始した2022年1月末に戻って再び勉強→受験するならば、どういう戦略をとるだろうかという妄想です。いわば、私たちが考える診断士ゼミナール最強活用法。読者は、来年以降の診断士受験を考えている方(できれば、診ゼミ受講生)を想定しています。
一次試験の自己採点結果はこちら。ダンナはパス、ヨメはパスならずでした。
前提として、ダンナは経済と財務、ヨメは運営管理については、仕事柄もともと知識がありました。
各科目の勉強記録は以下の通りなので、興味がある方はのぞいてみてください。
◇科目ごとの学習記録
経済学・経済政策
財務・会計
企業経営理論(前半・後半)
運営管理
経営法務
経営情報システム
全般(科目共通)
基本的には、診ゼミはとてもいい教材だと思いますので、ちゃんとやりさえすれば、合格点をとるのは、決して難しくはないと思います。その上で、我々が思う診ゼミの弱点に触れつつ、診ゼミの使い方や効果的な学習について再考します。
弱点1:問題演習が各科目の一番最後についている
これは結構致命的だと思いました。
例えば、経済学の講座を受講していると、ミクロ→マクロの順で濃厚な授業が展開されているのですが、理解を定着させるための(過去問をベースとした)演習問題が、一番最後につけられているわけです。
これ実際やってみると、実感できるのですが、ミクロの最初の方に習った知識は、ミクロとほとんど関係がないマクロの講義まで受け終わった頃には、ほぼ残っていないわけです。これは非常にストレスフルでした…
若干、フォローすると、診ゼミ教材にも、随所に「確認問題」が設置されています(何も工夫をしていないわけでは決してない)。もっとも、確認問題は演習問題と比べ平易な問題が多く、やってて頭に残らないなーというのが正直なところです。
なので、理想を言えば、例えば、ミクロの「所得効果と代替効果」についての講義であれば、その直後に「所得効果と代替効果」に関する問題演習が来るような順に教材を再構成していただきたいですね。
ヨメ注)
診断士ゼミナールでも、2023年向けから穴埋め問題集なるものが追加されるそうです!
2次試験の添削サービスも始まるし、しかもお値段据え置き。
ますますコスパアップしそうです!
解決策1:講義後すぐに関連する「ダンシ君のサブノート」を視聴する
当ブログでも繰り返し取り上げさせて頂いた「ダンシ君」をうまく利用していたら、頭への定着は全然違っただろうなあと今になって強く感じます。
具体的には、例えば、経済学では、こういう利用法を念頭に置いています。
- 診ゼミで「所得効果と代替効果(ミクロ)」の講義を視聴
- ダンシ君のこちらの動画の最初の方を繰り返し流して定着させる
- 診ゼミで次の講義を視聴
- ダンシ君で対応する動画を繰り返し流す
- この一連のサイクルで診ゼミを消化
- 診ゼミの問題演習編に突入
- すぐに過去問(経済学)に挑戦!
- 経済学の学習を終え、次の科目の勉強に移るが勉強のサイクルは全く同様に行う+定期的(3日に一度等)にダンシ君(経済学)を流して忘れないようにする
とここまで徹底的に「定着」させることを意識していれば、もっともっとラクに受かっていただろうなあと思います。何せ、ダンシ君を知ったのが、1次試験直前の情弱夫婦なもので、時すでに遅しでした…
弱点2:問題演習は問題の直後に解答が来るという仕様
どういうことかと言いますと、問題を読み進めていき、選択肢の検討に入ろうとすると、その直後に書かれている解答がどうしても目に入ってきてしまい、邪魔で邪魔で仕方ないわけです。
わが家ではテキストは原則pdfをそのまま見るようにしているのですが、解答が目に入らないように、いちいちノート等で解答を隠しておりました…
正直、非常に使い勝手が悪いので、ここも直ちに改善してほしいですね。例えば、問題編と解答編に分割するなど、やりようはいくらでもある気がするのですが…
ヨメ注)
ヨメは正直言って現状維持で問題ないです。使う端末にもよると思います。
ダンナはPCでテキストを見ているのでノートで隠すのが特に煩わしかったようです。例えば答え合わせで問題編と解答編でPDFを2つ開いて並べて見る、とかするのもPCだったら見やすいと考えたようです。
対してヨメは、基本的にテキストをiPadやiPhoneで見ていました。(PCでスクロールしながら見るのが見づらく感じて、かといってページ全体を表示すると文字が小さくて読みづらかったため。)ノートとかで隠すのは別に苦ではなかったです。むしろ問題編と解答編が分かれていると、同時に見たいと思ったら端末2つで開くことになるので煩わしくなっちゃいそうです。
解決策2:暗記マスター(アプリ)の利用
正直に申し上げると、上述の弱点に対して直接的な解決策は「解答をノートで隠す」なのですが、これでは、あまりにもバカっぽいので、あえて、こちらでこのアプリを紹介します!
こちらのアプリは、pdfをそのまま取り込んでページを切り離す等の操作が容易にできるのが特徴です。なので、教材pdfをこのアプリにぶち込んで、上述の通り、「問題編」と「解答編」を人力で作ってしまうとよいかもしれません(これはこれで結構面倒ではありますが…)。
ダンナの場合は、同アプリを過去問演習で以下のように活用しておりました。
- 診ゼミの過去問pdfを暗記マスターにぶち込む(過去問のpdfは本教材と違って問題編と解答編は分かれている)
- 問題を解き、答え合わせ
- 間違った問題のみをブックマーク
- 一定時間空けて、ブックマークした問題のみを解き直す
- 間違えた問題のみをブックマーク
- 本試験までひたすらにこれを繰り返す!
ポイントは、適当にマークしてあった問題は正解できたとしてブックマークしないという点ですかね。だって、仮に本試験で迷ったとしても、同じ問題が出ていたらその選択肢を選びませんか?適当でも正解は正解ですw完璧を求めちゃダメ!我々は4割の問題については、間違ってもよいわけです(^^♪
番外編:iPadの導入
私たちは診ゼミのテキストはPDFで利用しており、冊子は購入せず印刷もしませんでした。紙のテキストがないというのは、外で勉強するにも試験当日にも荷物にならずに済み、自分たちには合っていたと思います。ダンナは講義を聞いてノートをまとめたりしていましたが、ヨメは特にそういうこともしていませんでした。
しかし、特に暗記3兄弟に入ると、書き込みしながら講義を聞く必要性を強く感じるようになりました。テキストを隅々まで覚えるなんてできないし、何が重要で覚える必要があるのかテキストに書き込んでいかないと非効率だと思ったのです。
ヨメが持っていた初代iPad miniは、しばらく押し入れに眠らせていた間に電源が入らなくなりました。新しく買ってもちゃんと活用できるか自信がなく、ためらっていたのですが、経営法務学習中のある日思い立ち、その日のうちにAppleストアに行ってiPad mini+Appleペンシルを購入しました。
結果、iPadもっと早く導入すればよかったです。PCやスマホで読むより読みやすいし、書き込みしやすいから断然ポイントを押さえやすくなったと思います。なので、ヨメの「診ゼミ始めた初日に戻れるならやりたいこと」第1位、iPadの早期導入です!
経済学・経済政策
2022年はかつてなく激ムズな年でしたが、基本的には、診ゼミのみでOKです!
正直、診ゼミの経済学の講義は、米国で応用経済学の修士号をGetしたダンナ(64点)からみても、きめ細かく完成度の高い出来となっており、実際経済学はずぶの素人なヨメ(68点)もしっかり合格点をとれました!
来年以降は、かなり易化すると思われますので、きっと大丈夫です(^^♪
財務・会計
経済学同様、大幅に難化しましたが、こちらも診ゼミのみでOKです!
診ゼミの財務・会計は本当の初心者でも大丈夫なように簿記の超基礎から学習しますので、多少辛くても努力すれば、きっと大丈夫。
心配な方は、当ブログのファイナンス徹底攻略記事(まだ未完結です…)をご覧ください!「あ、なんだ、60点取るのって案外簡単だな!」と思えるような内容にしているつもりです。なお、執筆は前職ヘッジファンド勤務、現職コンサルタント兼データサイエンティストのダンナが担当しておりますので、界隈の診断士よりはファイナンスについては正しく理解しているつもりです。
実際、あの難度だったのにもかかわらず、直前にダンナにより知識を叩き込まれたヨメは無事に60点を超えております(^^♪
企業経営理論
診ゼミに言いがかりをつける気は毛頭ありません(実際、割とためになったと思いますし)が、正直診ゼミだけでOKかと言われると不安です…そもそもの問題が難しすぎるんですよね。
実際、ダンナは63点、ヨメに至っては39点という結果に…
ただ、じゃあ一体全体どういう勉強法ならよかったのやら全くわかりません。誰か教えてあげてください!(特にヨメに)
運営管理
学習記録を読む限り、当時大苦戦していたダンナも結局はモノにできた科目です。初学者にはとっつきづらいものの、過去問をしっかりやりこみさえすれば、60点を超えるのはそれほど難しくはありません!
したがって、やはり、診ゼミ(+ダンシ君)のみでOKです!
ヨメ注)
実体験とリンクさせて勉強するのが特に有効な科目だと思いました。そういう意味では、工場勤務ではないけれど工場への出張機会もあるメーカー勤務のヨメにはとっつきやすい内容が多かったです。あと、店舗管理だったら普段行くスーパーを思い浮かべられるといいですね。いつもヨメばかり買い物に行くから、ダンナより良い結果だったと自負していますw
経営法務
学習記録を読む限り、ダンナは当時ズタボロにメンタルやられて、カッとなってTACのテキスト(ほとんど開いておらずすっかり新品w)を購入した模様。正直、診ゼミの法務はビミョーなんだよなあ(分量はそこそこに多いのですが、イマイチ要点がまとまってない)
正解は、もちろんダンシ君最優先です!詳細は、こちらの記事をどうぞ。
今年はめちゃめちゃ簡単だったので、これだけでも60点は超えたのではないかと思います。例年激ムズな科目ですが、40点を安定的に超えるのを目標に据えるのであれば、ダンシ君一択でよいかと。
不安な方は、診断士諸先輩のYouTubeで時事問題対策をすれば十分かと(わが家は手を出す余裕はまるでなかったですが)。
経営情報システム
診ゼミの情シスはクオリティ高いと思います。なので、基本的には他と同様に診ゼミ(+ダンシ君)でOKだと思いますが、わが家は二人とも理科系出身ですし、ITに関して苦手意識は全くないので、もう少し保守的に考えた方がよいかもしれません。
上述の通り、基本的には、診ゼミはすごく丁寧にわかりやすく教えてくれているものの、若干最近の傾向と少しずれている感を抱くのも事実です。
というのも、最近本試験で(それほど新しくない論点も含めて)時事問題が多発しており、必ずしも診ゼミでフルカバーできているとは言えないためです。特に、診ゼミであれだけ重点的に取り上げられていたハードウェアの問題っておそらく2022年は1問も出てなかった気がします…
苦手な人には、対策が相応に難しいかと思われますが、ダンシ君で少し知識を補充すれば事足りるかと存じます。
法務同様に、それでも不安な方は、診断士諸先輩のYouTubeで時事問題対策をすればより確実ではないかと思います。
中小企業経営・中小企業政策
情シス同様に、中小も診ゼミのクオリティは高いです。
ただ、今年は政策はよかったものの、経営(白書)は本試験がムズすぎでしたね…白書については、2022年本試験の暗記三兄弟の中で唯一、ダンシ君でも対応が難しかったかなと思います。
逆に言うと、診ゼミ(+ダンシ君)を政策中心にしっかりと学習していれば、60点は取れるわけなので、開き直って教材を絞り込むのが得策な気がします。
ヨメ注)
経営の方は、診ゼミの講義ではコロナの影響にフォーカスしていたのに対し、本試験ではもっと長いスパンでの問いばかりでした。ここをどう対策するのが良かったのかは、ヨメには正解が見えておりません。。。
まとめ
以上、診断士ゼミナールを半年間活用して1次試験に臨んだ夫婦が、もしも診断士ゼミナールを始めた日に戻れるなら、ということであれこれ書いてみました。いかがだったでしょうか?
診断士試験にカンペキを求めてはダメです!「60点を取らなければいけない…」と考えるのではなく「40点落としても合格できるんだ!」というメンタリティで臨んでいただけると、合格はすぐそこです(^^♪