今回もこちらの方法で過去問を解き、夫婦で交換採点をしました。
採点に活用したのは、こちらのふぞろい。
各設問ごとの私たちの回答とその点数を以下に掲載します。マーカーは加点箇所です。
なお、試験問題全文はこちらからダウンロードできます(模範解答はありません!)。
第1問
A 社のような中小企業が近年、海外での事業活動に積極的に取り組むようになっている。A 社のような企業の場合、どのような外部環境の変化が海外進出を促していると考えられるか。
その要因を2つあげ、それぞれ 40 字以内で簡潔に述べよ。
ダンナの回答
人口減少等により国内市場が縮小する一方、経済成長率が高い海外市場は魅力的だから。(40字)
日本国内と比べて新興国は人件費が低いので、海外生産の方が製造コストを抑制できるから。(40字)
ヨメの回答
日本は人口減少に伴い内需の減少が見込まれるため、経済成長の著しい海外で販売したい。(40字)
取引先や、前工程・後工程を担うパートナー企業と合わせて海外進出し連携を深めるため。(40字)
第2問
A 社は、Y 社の要請による海外進出を実現していないが、X 社の要請に応じて、2002 年に東南アジアの新興国 S 国に初めて生産拠点を設けている。
Y 社の要請による A 社の海外進出が実現しなかったのはなぜか。X 社の状況を考慮に入れて、考えられる理由を 100 字以内で答えよ。
ダンナの回答
理由は、①X社と比べY社は海外での生産実績が乏しい、②経済特区内での工場開設等の好条件がY社からの支援にはなかった、③X社と比較し経済的支援の規模が小さかった、ことなどが考えられる。(91字)
ヨメの回答
理由は、①A社が主要取引先であるY社への依存度を高めたくなかったため、②海外工場で国内と同様の品質保証の体制を確保するという大きな課題の達成に向けて、Y社によるノウハウの提供などの支援が不十分なため。(100字)
第3問
日本国内で重要保安部品を自動車部品メーカーに供給している A 社では、表面加工処理の自動化システムなどを開発し、品質の確保を図ってきた。しかし、東南アジアの中でも労働者がまじめで勤勉だといわれる S 国の工場に、品質保証のためのシステムを導入したにもかかわらず、X 社向け表面加工処理が主である S 国の工場を日本の工場の品質保証レベルにまで引き上げるにはかなりの時間がかかった。
それには、どのような理由が考えられるか。120 字以内で答えよ。
ダンナの回答
理由は、品質保証にはシステム等以外に、①取引先の状況を考えた現場でのプロセス改善、②製品の異常発見に対する意識の醸成、③異常に対処する能力を継続的に育成・確保していく体制、が必要であるが、文化や国民性の違いもあり体制整備に時間を要したため。(120字)
ヨメの回答
理由は、①異国間の文化の違いもある中で、S国の工場にA社の企業文化を浸透させるのが難しかったため、②日本の従業員が持つ細かなノウハウをS国の従業員に漏れなく展開できなかったため、③S国の従業員と目指すべき品質保証レベルを共有できなかったため。(100字)
第4問
A 社では、生産現場管理に精通し管理能力に長けている係長クラスの人材を海外生産拠点の工場長として送り込んでいる。現地工場の運営管理以外に、係長クラスの人材に、どのような役割を期待し、どのような能力を向上させていくべきかについ
て、中小企業診断士として、A 社の社長に 100 字以内で助言せよ。
ダンナの回答
現地の工場長に対しては、①現地工場と本社との情報伝達、②品質保証体制の確立、③現地技術者の教育、④現地の顧客ニーズの収集、⑤現地社員の品質の安定維持・確保に対する意識改革、などを期待するべきである。(99字)
ヨメの回答
期待する役割は、日本とS国の間の橋渡し役である。向上すべき能力は、①S国の文化への理解、②S国の従業員とのコミュニケーション能力、③部下を鼓舞しながら同じ目標に向かって努力できるリーダーシップである。(99字)
第5問
A 社は、日本国内で課長以上の社員を対象に成果主義型賃金制度を導入しようと考えている。中小企業診断士として、制度の設計および導入にあたって、A 社の場合、どのような点に留意すべきかを 120 字以内で助言せよ。
ダンナの回答
留意点は、①各人が短期的利益を優先した結果、社内不調和や全体最適の妨げとならない、②成果を公正・客観的に評価できる、③相対的に成果が低い社員のモチベーションを維持できる、④これまでの年功に基づく評価制度と大きな段差を埋まない、ような制度設計。(120字)
ヨメの回答
留意点は、①長年蓄積したノウハウが重要であるため、長年働いている従業員にも納得できる制度とすること、②部長より下の社員にとっても、昇進したときの待遇に魅力を感じることのできる制度とすること、③各部門で不公平感のない評価制度を導入すること。(119字)
結果と学び
結果
ダンナ:54点、ヨメ:39点
第1問と第2問については、夫婦そろって不揃いに首をかしげたものの、人的資源管理の第4問と第5問は要復習!
学び
診断士ゼミナールの同事例解説やブログ記事などから得たこと
特になし
本事例で整理しておくべき基礎知識
・係長(ミドルからロワーのマネジメント)に求められるもの…①マネジメント能力(現場レベル)、②リーダーシップ(現場レベル)、③人材育成力、④コミュニケーション能力(橋渡し役)
・成果主義のデメリット=①短期的視点、②個人主義、③社歴の長い社員の士気が低下
・成果主義導入の留意点=①公平性・透明性の確保、②評価者・被評価者間の意思疎通、③基準や手続きの十分な説明
復習すべき問題
- 第2問
- 第4問
- 第5問