今回もこちらの方法で過去問を解き、夫婦で交換採点をしました。
採点に活用しているのは、こちらのふぞろい。
さらに診ゼミを活用して9月に復習をしています。
各設問ごとの私たちの回答とその点数を以下に掲載します。マーカーは加点箇所です。
なお、試験問題全文はこちらからダウンロードできます(模範解答はありません!)。
第1問
A社は、小規模ながら大学や企業の研究機関と共同開発した独創的な技術を武器に事業を展開しようとする研究開発型中小企業である。わが国でも、近年、そうしたタイプの企業が増えつつあるが、その背景には、どのような経営環境の変化があると考えられるか。120字以内で答えよ。
ダンナの回答
背景は、需要が多様化し、これまでの少品種大量生産から多品種少量生産にシフトしたことである。特に、大学や企業の研究機関と共同開発した独創的な技術は、一部の販売先からの引き合いが非常に強く、技術力という強みにより他社との差別化もできるため。(98字)
ヨメの回答
①中小企業単独での融資の獲得が困難になっていること、②共同研究の相手先の大学や企業のネームバリューによって、開発した技術の市場における信頼度が上がること、③国の施策として産学連携が推進されており、共同研究することで公的助成金を受けやすいこと。(120字)
第2問
A 社は、創業期、大学や企業の研究機関の依頼に応じて製品を提供してきた。しかし、当時の製品の多くがA社の主力製品に育たなかったのは、精密加工技術を用いた取引先の製品自体のライフサイクルが短かったこと以外に、どのような理由が考えられるか。100 字以内で答えよ。
ダンナの回答
大学や企業の研究機関に製造依頼された製品は、①製造にそれほど技術力は必要とされずA社の強みが十分に活かされなかった、②他社と十分差別化できなかった、③技術革新や安価な代替品の登場で受注が減少したため。(100字)
ヨメの回答
理由は、①当時の製品に競合他社に先んじて技術革新をもたらせなかったため、②A社の供給していた製品に代替製品が登場したため、③個別生産のためにコストや納期がかかってしまい、取引先のニーズに見合わないため。(100字)
第3問
2 度のターニング・ポイントを経て、A社は安定的成長を確保することができるようになった。新しい事業の柱ができた結果、A社にとって組織管理上の新たな課題が生じた。それは、どのような課題であると考えられるか。100 字以内で答えよ。
ダンナの回答
課題は、新規事業分野を開拓するために、研究開発力を強化すること。そのために、公的助成金を中心に多額の研究開発資金を定期的に継続的に調達するほか、博士号取得者等の優秀な人材を継続的に採用することが必要。(100字)
ヨメの回答
①工学博士号取得者や、大学院卒の博士号取得見込者を採用すること、②研究室を社内に設置することを通じて、研究開発力を強化し、新たな事業分野を開拓すること。(75字)
第4問
A社の主力製品である試験管の良品率は、製造設備を内製化した後、60%まで改善したが、その後しばらく大幅な改善は見られず横ばいで推移した。ところが近年、良品率が60%から90%へと大幅に改善している。その要因として、どのようなことが考えられるか。100 字以内で答えよ。
ダンナの回答
要因は、①製造設備の内製化や改良がさらに進んだこと、②不良品発生原因の洗い出しの質が向上したこと、③製品製造に関するPDCAサイクルが徹底されたこと、④マニュアル整備や社員教育が強化されたことである。(100字)
ヨメの回答
①研究開発部門を設置したことで、製造現場の改善に注力する人員が確保できたこと、②研修やOJTなどの社内教育を通じて作業員のスキルが向上したこと、③博士号取得者や取得見込者を採用したこと。(100字)
第5問
A社は、若干名の博士号取得者や博士号取得見込者を採用している。採用した高度な専門知識をもつ人材を長期的に勤務させていくためには、どのような管理施策をとるべきか。中小企業診断士として100 字以内で助言せよ。
ダンナの回答
管理施策は、①職務を明確化し、②大卒者や修士号取得者よりも高い給与を支払うこと。また、質問できるメンターをつけ、④業務のアウトプットに応じて適切に昇進させ、⑤上記施策につき他の社員の理解を得ること。(100字)
ヨメの回答
①博士号を取得した社員に資格手当など待遇において優遇を図ること、②外部セミナーなど継続的な教育の機会を与えてスキルを向上させること、を通じて社員のモラール向上を実現する。(85字)
結果と学び
結果
ダンナ:58点、ヨメ:38点
両者ともに60点は超えず…事例Ⅰって類推系の問題が多くて難しいです。
学び
診断士ゼミナールの同事例解説やブログ記事などから得たこと
・第1問:あくまでA社を取り巻く外部環境の変化について書く。
与件文から、助成金が増えている、と類推できる!
製品ライフサイクルが短い→自社だけでは無理→大学や企業の研究機関との共同開発が不可欠、と類推できる!
・第2問:受け身の姿勢→製品開発力は低い、と類推
・第3問:診ゼミとふぞろいで全く解答が違う→捨て問と思料
・第4問:与件文に書いていない類推問題
やはり、診ゼミとふぞろいで解答が違う…
与件文(時期が一致していること)から、工学博士号取得者の採用と社内研究室採用は何とか書き込みたいが…
・第5問:将来に関する問題は、与件に書いてないことも多い
本事例で整理しておくべき基礎知識
・高度な専門知識をもつ人材を長期的に勤務させていくための管理施策(一般論):①短期的ではなく長期的な評価目線、②自由裁量の余地を拡大、③(学会等の)社外活動の容認
復習すべき問題
- 第1問
- 第4問
- 第5問